確定申告の時期は、顧問先とのやり取りに時間がかかり、Excelでの作業に課題を感じていました。
もっと効率的な方法はないかと模索する中で出会ったのが、Googleスプレッドシートでした。
リアルタイム共有・同時編集機能のおかげで、顧問先との連携がスムーズになり、働き方が大きく変わったのです。
この記事では、一人税理士事務所が、スプレッドシートを活用して業務効率を劇的に改善した実体験をご紹介します。

Excelからの脱却!Googleスプレッドシートとの出会い
以前の私は、Excelでの作業が中心でした。
顧問先から送られてくるExcelファイルを編集し、メールでやり取りする日々。
ファイルのバージョン管理も煩雑で、常に最新版を把握するのに苦労していました。
業務効率を改善したいと考えていた時に出会ったのが、Googleスプレッドシートです。
相手がGoogleの無料アカウントでも利用でき、Excelとの互換性があり、何より「リアルタイム共有・同時編集」が可能である点に魅力を感じました。
実際に使ってみると、その便利さに驚きました。
顧問先や提携先と同時にファイルを共有し、編集作業ができるため、ファイルのやり取りにかかる時間が大幅に削減されました。
Excelでの作業から解放され、業務効率が格段に向上したのです。
リアルタイム共有・同時編集で顧問先との連携を効率化
スプレッドシートのリアルタイム共有・同時編集機能は、顧問先との連携を効率化してくれました。
顧問先や提携先とのデータに修正が必要な場合、以前はメールや電話で修正箇所を伝え、修正されたファイルを再度送ってもらう必要がありました。
しかし、スプレッドシートを使えば、顧問先と同時にファイルを開き、修正箇所を直接指示したり、共同で修正作業を行ったりすることができます。
共有設定では、相手のGmailアドレスを指定することで、アクセスできるユーザーを限定できるため、セキュリティ面も安心です。
また、「フィルタビュー」機能を使えば、自分が見ているデータを特定の条件で絞り込んでも、他のユーザーの表示には影響しません。
これにより、大人数で同時に作業する場合でも、効率的にデータを確認・分析することができます。
この機能のおかげで、顧問先や提携先とのコミュニケーションが円滑になり、時間と手間を大幅に削減することができました。
コメント機能でコミュニケーションを円滑化
スプレッドシートのコメント機能も、顧問先とのコミュニケーションを円滑にする上で非常に役立っています。
以前は、データに関する質問や指示を行う場合、メールで詳細な説明文を作成する必要がありました。「E列15行目の数値について・・・」といった具体的な場所を示す必要があり、説明に時間がかかっていました。
しかし、スプレッドシートのコメント機能を使えば、該当セルに直接コメントを追加し、共有者に割り当てることができます。
コメントを受け取った共有者には、コメント内容と該当セルへのリンクが記載されたメールが自動的に送信されます。
共有者は、リンクをクリックするだけで該当セルに移動し、コメントに返信したり、対応状況を更新したりすることができます。
この機能のおかげで、スプレッドシート上でチャットやToDo管理を行うような感覚で、顧問先や提携先とのコミュニケーションを完結させることができ、コミュニケーションを効率化できました。
Geminiサイドパネルで関数もスムーズに!業務効率を加速化
Google WorkspaceのBusiness Standard以上のプランに加入していると、スプレッドシートのサイドパネルでGeminiを利用することができます。
Geminiは、Googleが提供するAIアシスタントで、関数が分からない時などに、必要な算式を提案してくれます。
税理士の仕事では、複雑な関数を使う場面も多々あります。
以前は、関数が分からないときはGoogle検索や書籍を確認して時間を費やしていました。
しかし、Geminiに質問すれば、適切な関数とその使い方を教えてくれるため、あまり使い慣れていない関数でも、効率的に表計算作業を行うことができます。
また、Geminiは、データの分析やグラフ作成のサポートも可能です。
大量のデータから必要な情報を抽出したり、分かりやすいグラフを作成したりする作業を効率化することができます。
Geminiとの連携により、スプレッドシートの機能をより深く活用できるようになり、業務効率がさらに加速しました。
【事例紹介】iPadを活用した現金出納帳の作成!顧問先との新たな連携」

スプレッドシートを活用し、顧問先と新しい関わり方を実現した事例を紹介します。
ある個人事業主の顧問先は、PCを持っておらず、iPadしか持っていませんでした。
現金出納帳を作成するにあたり、Excelを購入する必要があるかという質問がありました。
このケースでは、私がスプレッドシートで現金出納帳の雛形を作成し、顧問先のGmailアカウントと共有しました。
顧問先には、iPadにスプレッドシートアプリをダウンロードしてもらい、出納帳の作成を行ってもらいました。
顧問先が作成したデータは、私の方でリアルタイムに確認・編集することができたため、スムーズに作業を進めることができました。
作成が完了した時点で、CSV形式でデータをダウンロードし、弥生会計にスマート取引取を行うことができました。
この事例のように、スプレッドシートを活用することで、PCを持っていない顧問先とも、効率的にデータ共有や共同作業を行うことができ、顧問先との新しい関わり方を実現できました。
まとめ:
Googleスプレッドシートは、リアルタイム共有・同時編集機能やコメント機能など、一人税理士の業務効率を劇的に改善するための強力なツールです。
顧問先とのコミュニケーションを効率化し、データ管理の手間を減らすことで、より生産性の高い業務を実現できます。
私自身、スプレッドシートを導入したことで、業務効率が向上し、より生産性の高い働き方ができるようになりました。
もし、あなたが私と同じように、業務効率化に関心のある方なら、ぜひGoogleスプレッドシートを試してみてください。
きっと、あなたの働き方も大きく変わるはずです。
税理士 今北有俊
