前回の記事では、GAS(Google Apps Script)を使ってGoogleカレンダーの予定をスプレッドシートに自動出力する方法をご紹介しました。データが溜まってくると、次にやりたくなるのが「分析」ですよね。
スプレッドシートのフィルター機能で抽出するのも良いですが、今回はさらに一歩進んで、グラフで可視化した「ダッシュボード」の作成に挑戦しました。「ビジネスの基本は、データをどう活かしてネクストアクションを打つか」。これを実現するために、全く未経験のツールをGeminiと共に挑戦したリアル事例です。

Looker Studioとは?スプレッドシートを可視化する
今回使用したのは、Googleが提供する無料のクラウドベースのデータ可視化(BI)ツール、「Looker Studio」です。(以前は「Googleデータポータル」と呼ばれていたものです。)
このツールの主な目的は、様々な場所に散らばっているデータを一箇所に集約し、分かりやすいレポートやダッシュボードとして視覚化することにあります。これにより、ただの数字の羅列だったデータから、意思決定に必要なインサイト(気づき)を容易に得られるようになります。
Looker Studioは色々なデータソースと連結できるのですが、前回作成した「Googleスプレッドシート」を繋げてみました。
真の目的:顧客ごとの「時間単価」を分析する

なぜわざわざ可視化するのか?それは、どうしても明らかにしたい数値があったからです。
- 顧客ごとに、どの業務(訪問、会計記帳、相続の財産評価など)にどれだけの時間がかかっているのか?
- その時間は、年間報酬と比べて適正なのか?(時間あたり単価の分析)
ビジネスにおいて、感覚値ではなく事実に基づいたデータを見ることは非常に重要です。どのクライアントにどれくらいのリソースを割いているのかを可視化することで、今後の価格設定や業務改善といった「ネクストアクション」につなげることができます。
Geminiは最高のパートナー!未経験ツールを使いこなす手順
Looker Studioは今まで使ったことが無く、Google WorkspaceのYouTubeで紹介されているのを見たことがあるだけでした。そこで、前回に引き続きGemini 3.0 Proに全面的に頼ることにしました。
具体的な進め方は以下の通りです。完全な「セルフ情シス」状態ですが、これが驚くほどスムーズでした。
- ステップバイステップで指示をもらう
「Looker Studioでスプレッドシートを可視化したい。一から手順を教えて」と依頼。 - スクショで相談
指示の中に分からない用語や画面があったら、都度スクリーンショットを撮って「今この画面なんだけど、どうしたら良いか」と相談。 - デザインも丸投げ
「どんな見栄えにしたら分かりやすい?」とデザイン案まで相談。
Geminiは本当に忍耐強いです。こちらがどれだけ初歩的な質問をしても、嫌な顔一つせず(当たり前ですが)、的確な答えを返してくれます。
完成したダッシュボードと得られた気づき
言われるがままに設定を進め、Geminiと相談しながら構築した結果、こんなダッシュボードが完成しました。


- プルダウン機能: 顧客名を選ぶだけでデータを絞り込み。
- カンバン表示: その顧客にかかった総時間・総工数・時間単価を数値で表示。
- グラフによる可視化: カラフルな円グラフと棒グラフで、月ごとに「どの業務にどれだけ時間を使ったか」が一目瞭然。
もしこれを、ネット検索やYouTubeで一から調べていたらどうなっていたでしょうか?おそらく時間が足りず、私のITリテラシーでは途中で挫折していた可能性大です。
AIは小規模事業者の「切り札」になる
全く使ったことがないツールでも、「まずGeminiに相談する」ことで道が開けます。「これ使ったら良いよ!」「こう設定すればできるよ!」と、自分の引き出しにはない提案をしてくれます。
そんな自分の能力を生成AIが補ってくれることで、今まで諦めていたような高度な分析もできるようになる。これは単なる効率化にとどまりません。
- 従業員体験の向上
- 顧客体験の向上→事務所としてのサービスレベル向上
同業の友人から生成AIを紹介されて使い始めたのが、ちょうど1年前の12月。今では助けになるどころか、「切り札」になっています。自分の弱いところを補ってくれる最強のパートナーを得たことで、ビジネスの質が大きく変わろうとしています。
まとめ
今回は、Geminiの力を借りてLooker Studioによる業務可視化ダッシュボードを作成した話を紹介しました。
重要なのはツールの使い方そのものではなく、「AIを使えば、専門知識がなくてもやりたいことを実現できる」という事実です。AIは、私たちの「できない」を「できる」に変え、ビジネスを次のステージへ押し上げてくれます。皆さんも、まずは「これどうやればいい?」とAIに投げかけることから始めてみませんか?
CTA
今回の記事で紹介した「GASによるデータ出力」の方法は、前回の記事で詳しく解説しています。まだ読んでいない方は、ぜひそちらも合わせてご覧ください。また、皆さんがAIを使って解決したい業務課題があれば、ぜひコメント欄で教えてください!
次回は、Gemini 3.0 Proを使って勤怠管理アプリを手作りし、GASと連携させて業務自動化に成功した事例をご紹介します。次回の更新もぜひお楽しみに!
代表税理士 今北 有俊
