【失敗事例】Googleドライブの落とし穴?弥生PAP会員が解説する弥生会計データ×弥生ドライブのススメ!!

Google Workspaceの導入が進み、Googleドライブを日常的に業務で活用されている方は多いですよね。ファイルをクラウドに置くだけで、まるで自分のパソコンにあるかのように操作できる利便性は、一度使うと手放せません。Google Workspaceの中核の機能です。

しかし、もしあなたが「弥生会計のデータ」も同じようにGoogleドライブで共有しているとしたら、今すぐその運用を見直す必要があります。

実はその使い方、データ破損という取り返しのつかない事態を招く恐れがあるのです。今回は、なぜGoogleドライブでの運用が危険なのか、そして安全にクラウド化するための「弥生ドライブ」との使い分けについて、弥生PAP会員として実体験を交えて解説します。

弥生PAP(Professional Advisor Program)制度とは、弥生製品・サービスを活用して、中小企業、個人事業主、起業家の発展に寄与するパートナープログラムです。

便利なGoogleドライブに潜む「大きな落とし穴」

Googleドライブのデスクトップ版アプリを使うと、PC内に「Gドライブ」という仮想ドライブが現れます。これにより、クラウド上のファイルをあたかもローカル(PC内)にあるかのように扱えるため、非常に便利です。

しかし、この「クラウドにあるのにローカル感覚で使える」という仕組みには、会計ソフトを扱う上で致命的な相性の悪さが存在します。 特に弥生会計のような「データベース形式のデータ」は、WordやExcelファイルとは異なり、頻繁かつ細かな読み書きを繰り返す構造になっています。

当事務所でも過去、効率化を目指して弥生会計のデータをGoogleドライブに置いて運用を試みたことがありました。その結果どうなったかというと……仕訳数が多いデータはほとんど動かず、頻繁にフリーズしてしまったのです。

なぜGoogleドライブだとデータが壊れるのか?

では、なぜこのような不具合が起きるのでしょうか? 技術的な視点とリスクの観点から深掘りします。

  動作が重くなる・フリーズする原因

弥生会計は操作中、常にデータの細かな読み書きを行っています。 Googleドライブ上にデータを置くと、その細かな処理のたびにクラウドとの通信(インターネット通信)が発生します。これにより動作の遅延(レイテンシ)が積み重なり、結果として「重い」「動かない」という現象が起きます。

さらに恐ろしいのが、通信の一瞬の遅延や遮断です。これが起きると、データへの「排他制御(ロック)」が破綻し、最悪の場合、データの整合性が崩れてデータ自体が破損してしまうのです。

  メーカー保証対象外という事実

トラブルの原因を調査している過程で、衝撃的な事実が判明しました。 『弥生会計デスクトップのデータは、ネットワークドライブ(GoogleドライブやOneDriveなど)での運用は保証対象外』なのです。

これはGoogleドライブに限りません。実は社内サーバー(NAS)にデータを置いて、ネットワーク経由で社内共有をする方法も、同様にサポート対象外です。もしデータが消えてしまっても、メーカーのサポートを受けることはできません。実際、この運用をされている方も多いのではないでしょうか。

解決策は「弥生ドライブ」!仕組みの違いを解説

そこで解決策となるのが、弥生会計用に最適化された純正サービス「弥生ドライブ」です。同じ「クラウド」でも、Googleドライブとは仕組みが根本的に異なります。

  「ストリーミング」と「チェックアウト」の違い

Googleドライブが常にクラウド上のデータを参照し続ける「ストリーミング形式」であるのに対し、弥生ドライブは「チェックアウト(ダウンロード)方式」を採用しています。

  1. 開く時: データを自動でローカル環境にダウンロード(チェックアウト)
  2. 作業中: パソコン内のデータとして高速に処理(通信による遅延がない)
  3. 閉じる時: 自動でクラウドへアップロード(チェックイン)

この仕組みのおかげで、作業中にインターネット回線の影響を受けず、データ破損のリスクを回避できるのです。

  データの整合性を守る「排他モード」

弥生ドライブの大きなメリットの一つが「排他制御」です。 例えば、Aさんが「株式会社〇〇」のデータを開いている間は、クラウド上のデータが「使用中」となりロックされます。その間、Bさんが同じデータを開こうとしても開くことができません。

これは、「どれが正しい最新データか分からなくなる(先祖返り)」という事故を完全に防げるため、会計データにおいては非常に重要な機能です。

弥生ドライブ運用の注意点と導入条件

非常に優秀な弥生ドライブですが、運用には一つだけ重要なルールがあります。 それは、「データの戻し忘れ(チェックイン漏れ)」です。

弥生会計を終了した後、データがクラウドにアップロードされるまでには少し時間がかかります。この処理が終わる前にパソコンの電源を切ったり、弥生ドライブのアプリを強制終了したりすると、データがクラウドに戻りません。 すると、データは「使用中」としてロックされたままになり、他の人が作業できなくなってしまいます。「作業後は弥生ドライブにデータが戻ったかどうかを確認」を徹底しましょう。

なお、弥生ドライブを利用するには「あんしん保守サポート契約」が必要です(弥生PAP会員の事務所は標準で利用可能です)。

まとめ

最後に、今回のポイントを整理します。

  • Googleドライブは便利だが、弥生会計データとの相性は最悪(破損リスクあり)。
  • Googleドライブ等のネットワークドライブでの運用はメーカー保証対象外。
  • 「弥生ドライブ」は、データをローカルに落として処理するため安全かつ高速。
  • Googleドライブと弥生ドライブ、それぞれの特性を理解して使い分けることが重要。

ツールの乱立は生産性を下げる要因の代表格ですが、「なんでもかんでも一つのクラウドストレージにまとめる」ことが正解とは限りません。ツールの特性を理解し、適材適所で使い分けることこそが、弥生会計ユーザーにとっての真のDX(デジタルトランスフォーメーション)と言えるでしょう。

CTA(Call to Action)

あなたの事務所や会社では、会計データをどのように管理していますか?「実はGoogleドライブに入れていた…」という方は、ぜひこの機会に運用設定を見直してみてください。

当事務所は弥生PAP会員として、安全な弥生会計データのクラウド保存の導入支援を行っています。データの管理方法やクラウド化についてご不安な点があれば、お気軽にご相談ください。

代表税理士 今北 有俊