令和7年12月19日に公表された「令和8年税制改正大綱」。
子育て・孫育て世代にとって、資産形成の前提が変わるかもしれない重要な記述が含まれています。
長年議論されてきた「教育資金一括贈与」の廃止と、それに入れ替わるような「NISAの年齢制限撤廃」。
この2つを並べて大綱を読み解くと、政府が私たちに求めているのは「単なる資金援助」ではなく「投資による国力強化」ではないか――そんな意図すら感じられます。
※本記事は速報であり、大綱に記載された複雑な要件のすべてを網羅的に解説するものではありません。特にインパクトの大きい変更点と、そこから読み取れる意図に絞って整理します。

「金持ち優遇」との決別か?一括贈与は終了へ
孫ひとりにつき最大1,500万円まで非課税で渡せる「教育資金の一括贈与」。
今回の大綱には、「令和8年(2026年)3月31日をもって終了(延長なし)」とする方針が明記されました。
この制度は、まとまった資金を非課税で動かせる反面、「一度に1,500万円も用意できるのは一部の富裕層だけ」「格差を固定化させている」といった批判の声がかねてより上がっていました。
今回の廃止案は、そうした声に配慮し、いわゆる「金持ち優遇」的なバラマキ是正へと舵を切ったようにも見受けられます。
NISA年齢制限撤廃。「12歳」からの払い出し案も
一方で、廃止と対になるように盛り込まれたのが「NISAの年齢制限撤廃」です。
大綱の記述を追うと、未成年者用の口座(仮称:未成年者特定累積投資勘定)を新設する方向性が示されています。
特に注目したいのが、大綱の(注)書きにある払い出し制限の緩和案です。
大綱の記述(要約):
12歳以上であれば、入学金や授業料などの「教育費・生活費」のために払い出しが可能。
もしこの通りに制度化されれば、かつてのジュニアNISAよりも使い勝手が良くなる可能性があります。ただ、年間投資枠(60万円)や、既存の課税口座との関係など、要件は非常に複雑で多岐にわたります。 現時点ですべてを網羅して理解するのは難しいため、正確な仕様の判明が待たれます。
「贈与」から「投資」へ。国からのメッセージ
「一括贈与の廃止」と「NISAの年齢制限撤廃」。
あくまで私見ですが、この2つをセットで捉えると、政府の明確な意思表示が見えてくる気がします。
それは、「上の世代から下の世代へ現金をただ渡す(贈与)のではなく、市場に回し(投資)、国全体で資産を育ててほしい」というメッセージではないでしょうか。
教育資金ですら、これからは「金持ち優遇の一括贈与」ではなく、「投資で増やして賄う」時代へ。今回の改正案からは、そんな「貯蓄から投資へ」の強烈なシフトチェンジが読み取れます。

まとめ:詳細はこれから。続報を。
大綱を読んだ限りの速報まとめです。
- 終了案: 教育資金一括贈与は令和8年3月末で廃止の方針。
- 新設案: NISAの年齢制限を撤廃し、教育費目的の払い出しを柔軟にする案。
- 背景: 単なる資産移転から、投資促進への転換か。
繰り返しになりますが、本記事は大綱の一部分を切り取った考察であり、制度の全容を網羅したものではありません。
特に未成年NISAの細部は、今後、国会審議や省令によって変更・具体化される可能性があります。
方針転換は間違いなさそうですが、実際にどう活用すべきか、専門家による詳細な解説や今後の決定事項を慎重に注視していく必要があります。
CTA
「教育資金の準備、どう変えればいいの?」
この疑問に対する明確な答えが出るのは、もう少し先になりそうです。当ブログでも、制度の詳細が固まり次第、実務的な視点で解説記事をアップする予定です。
今後の流れに注目していきましょう。
代表税理士 今北 有俊
