新年あけましておめでとうございます!2026年、第一弾の記事をお届けします。
皆さんは、膨大な資料や論文の山を前に、「誰か代わりに読んで要約してくれないか……」と溜息をついていませんか?
今回は、そんな悩みを解決する最強のパートナー、Googleの「NotebookLM」をご紹介します。9ヶ月前の紹介記事から驚くべき進化を遂げ、今や音声や動画での解説まで可能になりました。特に今回は、難解な「令和8年税制改正大綱」を例に、ビジネスの現場でどう活用すべきか、その具体的なテクニックをシェアします。

NotebookLMとは?Geminiとの決定的な違い
「生成AIに要約を頼んだら、資料に書いていない嘘をつかれた(ハルシネーション)」
皆さんも一度はそんな経験があるのではないでしょうか?
NotebookLMは、GoogleのGeminiをベースにした生成AIですが、決定的に異なる点があります。それは「RAG(Retrieval-Augmented Generation:検索拡張生成)」という仕組みを、ユーザーが意識せずとも利用できる点です。
通常のチャットボットが、学習した膨大なインターネット上の知識から回答を生成するのとは異なり、NotebookLMは「ユーザーがアップロードしたソース(PDF、ウェブサイト、動画など)」の範囲内からしか情報を引用しません。
つまり、AIが学習データに基づいて勝手な創作を行ったり、無関係な外部情報を混ぜ込んだりするリスクを構造的に排除しているのです。これにより、情報の「出典」が常に明確になり、ビジネスでの信頼性が格段に向上します。しかしソースの内容を理解しきれずに、誤った回答を出力することは依然としてあります。
進化が止まらない!動画解説からマインドマップまで

現在のNotebookLMは、単なるテキスト要約ツールではありません。入力した資料をもとに、以下のような多様なアウトプットを生成してくれます。
- 音声解説(Audio Overviews): ラジオ番組風に内容を語ってくれる
- 動画解説: 視覚的な情報と共に要点を解説
- マインドマップ・スライド作成: 構造的な理解をサポート
- データテーブル・フラッシュカード: 暗記やデータ整理に
特に相性が良いのが、論文読解、判例研究、そして今回取り上げる「税制改正」のような堅い文章の読解サポートです。
【実践編】令和8年税制改正大綱を読み解く

2025年12月19日に発表された「令和8年税制改正大綱」。この難解かつ膨大な資料を読み解くのに、NotebookLMが大活躍しました。ここでは、精度の高い回答を引き出すための「プロの使いこなし術」をご紹介します。
PDFは「分割」して読み込ませるのがコツ
NotebookLMは大量のテキストを読み込めますが、あまりに情報を詰め込みすぎると「出力の濃度」が薄まり、回答の精度が落ちることがあります。情報量が過多になると、AIが各論点の重要度を適切に判定できず、結果として核心を突かない表面的な要約に留まってしまう傾向があるためです。
そこで私は、155ページにも及ぶ改正大綱をそのまま読み込ませるのではなく、以下のようにPDFを分割して、それぞれ別のノートブックを作成しました。
- 基本的考え方
- 個人所得税
- 法人課税
- 資産課税
- 消費課税
- 国際課税
こうすることでAIの思考が分散せず、各分野について深い回答が得られるようになります。
「ながら作業」でインプットを最大化

作成した各ノートブックから、音声概要や動画を生成。
私は動画解説を「アイロンがけ」をしながら、音声概要は「車の運転中」に確認しました。活字を一から読む労力から解放され、事前に耳から要点をピックアップしておくだけで、その後の理解度が劇的に変わります。
さらに、「NISAについてフォーカスをあてて」など、気になる論点に絞って再出力をかけることで、より効率的な学習が可能です。
クリエイティブなGemini、忠実なNotebookLM
使い分けは明確です。
- Geminiアプリ: 新しいアイデア出しや、クリエイティブな出力が欲しい時
- NotebookLM: 論文要約、紙資料のOCR、事実確認など「忠実さ」が必要な時
ちなみに、執筆時点でのNotebookLMの画像生成には「Nano banana」や「Nano banana pro」といったモデルが採用されており、その処理能力の高さが伺えます。
セキュリティと社内共有のルール
業務利用で最も気になるのがセキュリティです。Googleは、NotebookLMに入力されたデータについて「AIモデルのトレーニングには使用されない」と利用規約で明記しており、プライバシー保護の観点では高い安全性が確保されています。しかし、システムそのものが安全であっても、ID・パスワードの流出といった「運用面の隙」があっては元も子もありません。
当事務所では、万が一のアカウント侵害リスクや、意図しないデータ漏洩を未然に防ぐため、以下の運用ルールを徹底しています。
- 2段階認証を強制しているGoogle Workspaceアカウント(Businessスタンダード以上)のみ使用
また、現在は組織内でのノートブック共有機能も実装されています。これまでは個人利用が主でしたが、例えば「社内規定」や「過去の議事録」を読み込ませた「チーム専用ノートブック」を作成することで、強力な知識ベースとして活用できます。メンバーがAIに質問するだけで即座に正確な回答が得られるため、情報の属人化を防ぎ、新人教育の効率化にも大きく貢献するでしょう。

まとめ:2026年は「信頼できるAI」と伴走しよう
NotebookLM活用のポイント
- ソース限定回答でハルシネーションが少ない(RAG機能)
- 長文資料は分割して読み込ませ、精度を維持する
- 音声・動画機能を使って、「ながら時間」にインプットする
- セキュリティを意識し、適切なアカウントで運用する
活字だけで100ページを超える資料と格闘するのは、もう過去の話。
ハルシネーションが少ないとはいえ生成AIですので、最終確認は必須ですが、下読みの労力は大幅に削減されます。
皆さんも2026年は、この安全で賢いパートナー「NotebookLM」を味方につけて、ロケットスタートを切ってみませんか?
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あなたの「NotebookLM」活用法は?
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代表税理士 今北 有俊
